広報スタッフ日記
地域戦略研究所は、アジア研究を主要事業の一つとし、さらに北九州市の姉妹都市であるカンボジアのプノンペンとの交流深化の一役を担ってきました。カンボジアの産業は、縫製業を中心とする労働集約型産業が多く、大半の従業員は、専門技術を必要としない組立作業や機械を使った単純作業などに従事しており、低賃金労働を余儀なくされています。住民の生活を豊かにするためには、産業の高度化や多様化を図らなければならず、そのためには「人材の育成」が不可欠です。
今回、地域戦略研究所のプロジェクトとして、カンボジアの若者が工場組織で働くために必要なソフトスキル(例.チームワーク、5S?カイゼン)と、ものづくりの基本(例.生産管理、品質管理)について、カンボジア国内の職業訓練大学校と工業高校で教える体制を、JICA草の根技術協力事業を活用して整備しました。
具体的には、プノンペンの職業訓練大学校:Industrial Technical Instituteと工業高校:チュンプーワンで教員を育成し、教材を制作した後、在校生と地元製造業従事者に授業を提供しました。授業を繰り返し実施する中で、教授法や教材の改善がなされ、今後はカンボジア全国の職業訓練大学校と工業高校に展開される予定です。
当事業は2015年12月から2020年12月に亘る壮大なプロジェクトでした。カンボジアの関係省庁とのタフな交渉や、コロナ禍の影響で渡航できない中での進捗管理など、多くの苦難がありましたが、コミュニケーションに最大限配慮することで、プロジェクト目標を達成することができました。
ここで得られた経験やノウハウを活かし、今後とも国際社会の発展に貢献してまいりたいと思います。